Vol.6 安心して産み、育てる、女性の明るい未来へ
近年、女性のライフスタイルや出産に対する価値観が大きく変わるなか、産婦人科に求められる役割も広がっています。
今回は、産婦人科の木村医師に妊娠・出産を支える体制や出生前検査、今後の取り組みについてお話を伺いました。
Q1.江南厚生病院の産婦人科には、どのような方が受診されていますか?
妊娠・出産に関することから、月経の異常や貧血、更年期症状など、女性のライフステージにおける様々な症状をかかえた患者さんが受診されています。
Q2.妊娠・出産の分野では、地域周産期母子医療センターとしても重要な役割を担っていると聞きました。その取り組みについて教えてください。
当院は地域周産期母子医療センターとして、妊娠26週以降の緊急母体搬送や合併症のある妊婦さんの受け入れに24時間365日対応しています。妊婦健診ではハイリスク妊娠、ローリスク妊娠ともに超音波検査を毎回実施し、胎児の発育確認や異常の早期発見に努めています。より詳しい検査が必要な場合には、専門外来である胎児超音波スクリーニング外来で、専門医と臨床検査技師が連携し、詳細な検査、診断を行います。
Q3.最近では、出生前検査への関心も高まっていると聞きますが、どのような検査ですか?
近年、妊娠される方の年齢が高くなる傾向があり、出生前検査である「非侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)」への関心が高まっています。母体の採血で胎児の染色体異常(21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー)がある可能性を調べる検査で、当院でも令和7年10月1日より実施が可能となりました。
検査を受けるかどうかは、妊婦さんが検査の意義を理解して選択することが大切です。その判断を支えるため、遺伝診療外来では、専門医師による正確な情報提供と丁寧なカウンセリングを行い、妊婦さんやご家族が安心して十分に検討し、選択できるよう支援しています。
Q4.元気な赤ちゃんを産むために、妊娠前からも気をつけることはありますか?
妊娠前から自分の健康状態を見直し、将来の妊娠・出産に備える取り組みを「プレコンセプションケア」と呼びます。
具体的には、糖尿病や高血圧、感染症、遺伝的なリスクなどがある場合、早めに身体の状態を確認し、必要に応じて内科や関連診療科と連携して治療を行います。このようなケアを行うことは、安心して妊娠・出産を迎える準備ができるだけでなく、生まれてくる赤ちゃんの健康にもつながります。
当院でも専門外来の開設を計画中で、妊娠前から出産後まで、切れ目のないサポート体制を目指しています。
ドクターメッセージ
“地域の女性医療を支える、確かな体制と想い”
女性が健康でいきいきと生活できることは、ご本人だけでなく、ご家族の幸せにもつながります。妊娠・出産に関することの他にも、月経中のつらい症状や更年期症状などの日常的な悩みまで、何か気になることがあれば「まずは産婦人科で相談してみよう」と思っていただけると嬉しいです。 また、いざという時に頼れる存在であるために、当院では24時間365日、院内に産婦人科医師が待機して、婦人科疾患や分娩に関する緊急搬送に対応できる体制を整えています。 地域の女性の健康を永く支えられるよう、スタッフ一同協力して努めてまいります。
周産期母子医療センター長 木村直美
関連リンク
江南厚生病院 産婦人科