出生前検査の専門外来について
当院で対応している出生前検査一覧
| 検査項目 | NIPT (非侵襲性出生前遺伝学的検査) |
クアトロ検査 (母体血清マーカー検査) |
超音波胎児スクリーニング |
|---|---|---|---|
| 調べられる染色体 | 21トリソミー/18トリソミー/13トリソミー | 21トリソミー/18トリソミー/神経管閉鎖不全症 | 胎児のからだのつくり(心臓・臓器・脳・骨・口 など) |
| 検査受検週数 | 10週0日〜14週6日 | 15週0日〜16週6日 | 中期:22〜26週 後期:28〜32週 |
| 検査方法 | 採血 | 採血 | 超音波検査 |
| 検査料金 | 116,500円(合計) | 41,500円(合計) | 単胎:5,000円(合計) 双胎:10,000円(合計) |
※羊水検査をご希望の場合は、他院(主に名古屋市立大学病院)へご紹介させていただきます。
出生前検査のご案内
出生前検査の専門外来について
NIPTとクアトロ検査について
江南厚生病院では、2025年10月1日よりNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)を実施しています。NIPTは、お母さんの血液だけでお腹の赤ちゃんの染色体疾患を調べる新しい検査です。この検査は、赤ちゃんが生まれつきの病気を持っている可能性を知るためのスクリーニング検査の一つです。
| 検査項目 | NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査) | クアトロ検査(母体血清マーカー検査) |
|---|---|---|
| 調べられる染色体 | ・21トリソミー(ダウン症候群) ・18トリソミー(エドワーズ症候群) ・13トリソミー(パトウ症候群) |
・21トリソミー(ダウン症候群) ・18トリソミー(エドワーズ症候群) ・神経管閉鎖不全症 |
| 検査受検週数 | 妊娠10週0日〜14週6日まで(双胎妊娠も検査可) | 妊娠15週0日〜16週6日まで(双胎以上は検査不可) |
| 検査方法 | 採血 | 採血 |
| 検査の特徴 | 精度が高く、母体血中の胎児由来DNAを解析します。染色体疾患の可能性を早期に知ることができます。 | 血清中の成分を測定し、胎児の染色体疾患や神経管閉鎖不全症のリスクを推定します。 |
※NIPT及びクアトロ検査は確定診断ではありません。もし検査結果が陽性だった場合、確定診断のために羊水検査などの精密検査が必要になります。
検査の対象となる方
- 13・18・21トリソミーなどの染色体疾患について不安をお持ちの方
- 遺伝カウンセリングを受け、ご本人とご主人(またはパートナー)が検査に同意された方
- 年齢制限はありません
検査の時期
- NIPT:妊娠10週0日〜14週6日まで(双胎妊娠も検査可)
- クアトロ検査:15週0日〜16週6日まで(双胎以上は検査不可)
検査費用(自費)
検査項目によって、金額が異なります。
| 検査項目 | 料金 | 内訳 |
|---|---|---|
| NIPT | 116,500円(合計) | 遺伝カウンセリング(初回):11,000円 + 検査料金:100,000円 + 遺伝カウンセリング(結果):5,500円 |
| クアトロ検査 | 41,500円(合計) | 遺伝カウンセリング(初回):11,000円 + 検査料金:30,000円 + 遺伝カウンセリング(結果):5,500円 |
※当日、胎児心拍確認等をご希望の場合、別途、経腹超音波検査(5,000円)がかかります。
この費用には、NIPT検査そのものの費用だけでなく、検査前後の専門家による遺伝カウンセリング料が含まれています。安心して検査を受けていただくための重要な費用と考えています。
遺伝診療外来の受診と検査について(事前予約制)
◆診療時間
火曜日(午後):遺伝カウンセリング(初回)と採血
水曜日:遺伝カウンセリング(結果)
◆予約方法
当院通院中の方:産婦人科の医師または看護師、4ブロックの事務に出生前検査の希望をお申し出ください。
他院からのご紹介(検査のみ、他院通院、他院分娩も可):他院通院中の方は通院中の病院で紹介状を書いてもらい、病診連携を通して外来予約が必要です。
【地域の先生方へ】 → 出生前遺伝学的検査専用の紹介状および案内資料
受診の前にご自宅で準備いただきたいこと
・NIPTに関する説明資料をご確認ください
→コチラ
◆受診・検査の流れ
1. 遺伝カウンセリング(初回)
検査をご希望の方は、まず「遺伝診療外来」を受診していただき、専門家から検査についての詳しい説明を受けていただきます。
当日は、ご本人とご主人(またはパートナー)のお二人でご来院ください。
2. 採血
遺伝カウンセリング後、検査を希望される場合は採血を行います。
3. 遺伝カウンセリング(結果)
採血から約2週間後の水曜日に、再度遺伝診療外来を受診していただき、結果をご報告します。
当院の専門家とサポート体制
・遺伝カウンセリングの必要性
検査を受ける前に、専門家による遺伝カウンセリングを必ず受けていただきます。この遺伝カウンセリングでは、NIPTでわかることやわからないこと、結果の受け止め方、そして陽性だった場合の選択肢などについて、時間をかけて丁寧にご説明します。ご夫婦で納得して、自分たちの結論を導き出すための大切な時間ですので、不安なことや疑問に思うことは、どんなことでもお気軽にご相談ください。
・臨床遺伝専門医
日本人類遺伝学会認定の専門資格を持つ産婦人科医が、検査前後の遺伝カウンセリングを担当します。
・出生前コンサルタント小児科医
検査の結果や、もし赤ちゃんが病気を持って生まれた場合の医療や福祉について、日本小児科学会認定の出生前コンサルタント小児科医が詳しくご説明します。
・基幹施設との連携
当院は、NIPTの提供ができる「連携施設」として日本医学会から認証を受けています。もし検査結果が陽性だった場合は、確定診断に必要な羊水検査を、連携している名古屋市立大学病院で速やかに受けていただける体制を整えています。
検査を受けるか迷っている方へ
検査を受けることは、ご夫婦にとって大切な選択です。当院では、検査の前後で十分な時間をかけて遺伝カウンセリングを行い、専門家が丁寧にサポートします。検査を受けるかどうか、そして検査結果をどう受け止めるかというお二人の大切な選択に、寄り添い、共に考えていきます。どのようなご不安でも、まずは私たちにお話しください。
参考情報
• 出生前検査認証制度等運営委員会(妊婦さんやご家族向けサイト)
• 認証施設の一覧(当院を含む認証施設の一覧)
→こちら
NIPTに関するよくあるご質問
Q1:出生前検査って何ですか?
→A1: 妊娠中に胎児に先天性疾患があるかどうかを調べる検査です。生まれた赤ちゃんの3〜5%が先天性疾患を持っています。染色体疾患については羊水検査、NIPT、クアトロ検査、胎児超音波検査、胎児形態異常については胎児超音波検査で見ることができます。
Q2:NIPTは誰でも受けられますか?
→A2: はい、当院では年齢制限を設けていません。妊婦さんで13、18、21トリソミーなどの染色体疾患について不安をお持ちの方は、どなたでも検査を検討していただけます。
Q3:必ず夫婦(パートナー)2人で受診しないといけませんか?
→A3: 初回の遺伝カウンセリングは、お二人で受診してください。NIPTはご夫婦にとって大切な選択であり、お互いに納得した上で検査に臨んでいただくためです。
Q4:NIPTで性別もわかりますか?
→A4: NIPTの検査では性別の判定も技術的に可能ですが、今回の対象は21/18/13トリソミーのみです。性別はわかりません。
Q5:NIPTの検査結果はどのくらいでわかりますか?
→A5: 採血から約2週間後を目安に、結果のご報告のための遺伝カウンセリングを実施します。
Q6:NIPTの結果が「陽性」だった場合、どうすればよいですか?
→A6: NIPTはスクリーニング検査のため、陽性であっても確定ではありません。陽性の結果が出た場合は、確定診断のための羊水検査をご案内します。当院と連携している名古屋市立大学病院にて、速やかに検査を受けていただける体制を整えています。専門の医師が、今後の選択肢について丁寧にサポートしますのでご安心ください。
Q7:NIPT以外に、どのような出生前検査がありますか?
→A7: 当院では、NIPTのほかに「クアトロ検査」や「胎児超音波スクリーニング」も実施しています。それぞれの検査方法や特徴、費用については、初回の遺伝カウンセリングで詳しくご説明します。お一人お一人の状況に合わせて、最適な検査方法を一緒に検討していきましょう。
Q8:NIPTを受けるかどうか迷っています。相談だけでもできますか?
→A8: はい、もちろんです。検査を受けるかどうかを決められていない方も、まずは当院の遺伝診療外来にお越しください。NIPTや出生前検査の全体像、そしてご夫婦の不安について、専門家がじっくりと時間をかけてお話しを伺います。相談だけでも構いませんので、お気軽にご予約ください(遺伝カウンセリングには、遺伝カウンセリング料がかかります)。
