ロボット支援下手術を導入しました
2022年6月より、当院でもロボット支援下手術が可能となりました。今回は、ロボット支援下手術についてご紹介します。
ロボット支援下手術とは?
「ロボット支援下手術」とは医師が手術用ロボットを操作して行う手術のことです。医師は、ロボットのコントローラーを操作して、ロボットアームの先に装着された器具を思い通りに動かしながら手術を進めていきます。
ロボットを介することで、人の手で行うより、より細やかな操作が可能となり、安全且つ正確に手術を進めることが出来ます。
当院では、2022年6月に世界でシェア率の高いIntuitive Surgical社の「ダ・ヴィンチ」を導入いたしました。
ロボット支援下手術のメリット
ロボット支援下手術には、主に3つのメリットがあります。
患者さんの身体への負担が少ない
従来の開腹手術では、患者さんの身体を大きく切開しなければなりませんでした。しかし、ロボットなどを介して行う手術では、患者さんの身体に鉗子を挿入するための小さな穴を数か所切開するのみで済みます。
そのため、傷が小さく、出血量が抑えられるため、手術後の回復が早く、身体への負担を軽減することができます。
3次元画像で精度の高い手術が可能となる
従来の腹腔鏡手術では、医師は2次元の画像を見て手術を行っていましたが、ロボット支援下手術では3次元立体画像を見ながら手術を行います。このため、奥行きを感じながら操作ができるため、より正確かつ安全な手術が可能となります。
鉗子の操作精度や自由度が高い
従来の腹腔鏡手術の道具は、まっすぐの鉗子を使っていましたが、ロボット支援下手術では、まるで人の腕のように関節のあるロボットアームが手術を行います。このため、熟練の医師の手のような操作が可能となります。また、ロボットの制御により、手ぶれや不意な作業が制御されるため、安全かつ正確な手術が可能となります。
ロボット支援下手術の適応症例
当院では、以下の手術を行っています。ロボット手術の適用判断は主治医が行いますので、ご希望の場合は、主治医にご相談ください。
泌尿器科
・前立腺
・腎臓
・膀胱
外科
・胃
・結腸
・直腸
産婦人科
・子宮
ロボット支援下手術のQ&A
ロボット支援下手術は誰でも受けられるのですか?
ロボット支援下手術はどのような症例でも受けられる訳ではありません。患者さんの病状や既往歴などをふまえ、主治医が判断いたします。まずは主治医にご相談ください。
他病院で受診中ですが、江南厚生病院でロボット支援下手術を受けたい場合はどうすればよいですか?
かかりつけ医にロボット支援下手術希望の旨をお伝えして、紹介状を記載してもらってください。なお、ロボット支援下手術はどのような症例でも受けられる訳ではありません。患者さんの病状や既往歴などをふまえ、当院の主治医が判断いたしますので、実施できないことがあることを予めご承知おきください。
ロボット支援下手術の費用はどれぐらいかかるのですか?
当院では、原則保険適用となっている手術のみを行っていますので、通常の腹腔鏡手術とあまり変わりはありません。ただし、手術術式によっては、自費診療扱いとなることがありますので、適用症例が決まり次第、お問い合わせください。なお、自費診療となった場合でも、保険適用に準じた患者負担額としていますので、ご安心ください。
安全性は大丈夫ですか?手術者のスキル不足やロボットが途中で壊れたりすることが心配です。
ロボットを操作する医師は、全員特別なトレーニングを受け、それに合格した者しか実施できないこととなっています。また、ロボットは、全世界にて使用されているIntuitive Surgical社の「ダ・ヴィンチ」を使用しています。このダヴィンチは、システムエラーの報告が0.2~0.4%と極めて低いものであると同時に、万が一にそなえ、当院のスタッフ教育も万全の体制を敷いていますのでご安心ください。