volume1 心疾患は突然に。24時間体制であなたの心臓を守る。
・循環器内科治療の最前線とは?
江南厚生病院の循環器内科では、心筋梗塞や大動脈解離、不整脈などの心臓と血管の治療を専門としています。一刻を争う場面も多いため、医師たちは24時間体制で診療にあたります。
そんな循環器内科の強みとはなにか、循環器内科 髙田医師にお話を伺いました。
Q1.循環器内科の診療について教えてください。
循環器内科では、狭心症や心筋梗塞といった心臓の血管(冠動脈)の病気、心不全、不整脈、高血圧など心臓や血管に関わる幅広い疾患を診療しています。また、近年は肺高血圧症や心アミロイドーシスといった珍しい病気にも対応し、患者さん一人ひとりの状態に合わせた治療を行っています。
Q2.診療における強みを教えてください。
強みは、急性期疾患に対する迅速な対応です。特に急性心筋梗塞では、病院到着から治療開始までの時間(ドア・トゥ・バルーンタイム)を90分以内とする目標を掲げています。夜間や休日を含め、この時間内に患者さんがカテーテル治療を受けられる体制を整えており、迅速な対応による救命率の向上を目指しています。
Q3.急性心筋梗塞の治療について詳しく教えてください。
急性心筋梗塞は、冠動脈が詰まり、心臓の筋肉への血流が途絶えることで、心臓がダメージを受けます。治療としては、できるだけ早く詰まりを解消し、血の流れを回復させることが重要となります。
当院では、急性心筋梗塞に対するカテーテル治療を24時間体制で行っています。この治療は、カテーテルと呼ばれる細い管を血管内に入れていき、詰まっている部分まで進めていきます。カテーテルには風船のように膨らむバルーンが付いており、詰まっている部分でバルーンを膨らませることで血管を拡げ、血の流れを回復させます。また、必要に応じてステントと呼ばれる小さな金属製の網を留置し、血流を確保する治療を行っています。
Q4.急性期の治療だけでなく、不整脈に対する治療も受けることができますか?
動悸や息切れの原因となる不整脈に対しては、カテーテルを使ったアブレーション治療を行っています。不整脈は心臓の一部で異常な電気信号が発生したり、心臓内に本来存在しないはずの電気の通り道ができたりすることで、心臓のリズムが乱れる病気です。
アブレーションは、この異常な部位や電気の流れを、カテーテルから熱を発生させて焼いたり、冷却したりすることで、心臓のリズムを正常に戻す治療です。
最近では、新しい技術として従来の治療に比べ、より安全で治療効果の期待できるパルスフィールドアブレーション(PFA)という治療があります。当院は2025年1月から導入しています。この治療は、電気の波を使って心臓の筋肉に微小な穴を開ける方法で、特定の細胞だけをターゲットにして治療できるため、周囲の健康な組織や神経を傷つけるリスクが低く、患者さんの負担を少なくします。また、手術時間が短く、回復も早いため、これまで以上に苦痛を軽減した治療になります。
ドクターメッセージ
胸の“痛み”や“動悸”を感じたら、ためらわずに受診を!
循環器疾患は、発症してからではなく、予防や早期発見が重要です。特に、高血圧や糖尿病、脂質異常症をお持ちの方、喫煙されている方は発症リスクが高いため、定期的な健康診断をお勧めします。また、胸の痛みや動悸、息切れなどの症状がある場合は、ためらわず早めに地域の医療機関を受診してください。
当院は、地域の先生方とも密に連携していますので、必要な方には、迅速に精密検査や治療が提供できる体制を整備しています。さらに、新しい病診連携の仕組みの導入も予定しており、今まで以上に迅速に連携できる体制構築を目指しています。循環器内科の治療は診断から治療までのスピードが大切です。早く治療を開始できるほど、適切な治療を受けていただくことができます。私たちは、患者さん一人ひとりに適切な治療を提供できるよう地域で一体となって診療に努めていきますので、気軽にご相談ください。
循環器内科代表部長 髙田康信
関連リンク
江南厚生病院 循環器内科