Vol.9 あなたと共に見つける糖尿病治療
江南厚生病院の内分泌・糖尿病内科では、糖尿病やホルモンに関わる疾患を中心に診療を行っています。特に糖尿病は、患者さんの生活の質(QOL)に大きく影響するため、患者さん一人ひとりの病状や生活習慣に沿った繊細な治療の提案が大切です。
今回は、内分泌・糖尿病内科の診療に関する特長や取り組みについて、内分泌・糖尿病内科 の有吉先生にお話を伺いました。
Q1.当院の内分泌・糖尿病内科には、どのような患者さんが受診されていますか?
糖尿病の患者さんがもっとも多いです。糖尿病は自覚症状がないまま進行することが多く、健康診断で血糖値の異常を指摘されて受診する方が多くいます。他にも、様々なホルモンに関わる疾患や電解質(ナトリウムなど)異常に伴う精査や治療のために入院する患者さんもいます。
Q2.どのような治療を行っていますか?
糖尿病治療で特に大切にしていることは、患者さん一人ひとりの生活リズムを考えて、食事療法や運動療法を無理なく続けられるようサポートすることです。
薬物療法では「どの薬を、どの順番で、どのように組み合わせるか」を戦略的に検討して患者さんに適した治療計画を考えます。これらは深い知識と豊富な経験があるからこそ可能であり、この「柔軟かつ専門的な血糖コントロール」が当科最大の強みです。
また、入院診療では他の診療科の手術に伴う血糖コントロールにも携わります。手術前後の血糖値の状態は、患者さんの手術後の経過に影響を及ぼすことが多いので、低血糖を起こさず、高血糖を回避する血糖管理が重要です。 患者さんと執刀医の双方にとって、安心して治療に臨める環境に寄与すべく、理想的な血糖管理を目指しています。
Q3.診療ではどのようなことを大切にしていますか?
患者さん自身の生活習慣を理解し、一緒に改善していくために「対話」を大切にしています。それは血糖コントロールがうまくいかない背景に、患者さん自身も気づいていない、日々の小さな習慣が関係していることがあるからです。
例えば、午前の診察で血糖値が高かった場合に、「朝食しか食べていません」と答える患者さんの中には、実は喫茶店で、朝食とは別に「モーニング」を利用していたことが、対話の中で判明したことがあります。患者さんは「朝食ではない」と認識していたとしても、医学的には血糖値に影響を及ぼす食事です。このような「医学の考え方」と「患者さんの認識」のズレを対話の中から見つけ出し、一緒に解決していきます。
健康を守るための鍵は、毎日の暮らしの中にあります。薬の処方だけでなく、患者さんと共にその鍵を見つけ出し、より健やかな生活を実現できるよう支えていきたいと考えています。
ドクターメッセージ
糖尿病のこと、気軽にご相談ください
糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどありません。「喉が異常に渇く」「尿の回数が多い」などの症状が出る頃には、病状がすでに進行していることもあります。また、糖尿病は遺伝的な要因と生活習慣の両方が関係するため、痩せている方でも食事や運動のバランスによって発症のリスクがあるので、症状がなくても安心せず、定期的な健康診断を受けてください。
糖尿病になると一生付き合わなければならない病気ですが、適切な管理を行えば健康で充実した生活を送ることが可能です。当院では、専門資格をもつスタッフが一人ひとりに寄り添って、皆さんの健康を全力で支えます。ひとりで悩まず、ぜひ気軽にご相談ください。
気になるマメ知識

尿が泡立つのは糖尿病のサイン!?
「尿が泡立つのは糖尿病のサイン」という話を耳にすることがあるかもしれませんが、これは医学的に証明された事実ではありません。
インターネットなどには不確かな情報も溢れています。根拠のない情報に惑わされず、正しい知識を持つことが大切です。
自己判断による「肥満症治療薬」に潜むリスク
最近、自費診療で処方してもらえる痩せる効果のある薬(GLP-1受容体作動薬など)が話題です。生活習慣の改善だけでは体重が減らせない方にとって、専門医の管理下であれば有効な「方法」となり得ます。
しかし、専門家の指導なしに自己判断で使うことは非常に危険です。適切な管理がなければ、深刻な食欲不振から栄養失調に陥るなど、健康を大きく損なう可能性があります。専門医による適切なリスク管理のもとで初めて意味を持つものだとご理解ください。
内分泌・糖尿病内科代表部長 有吉陽
関連リンク
江南厚生病院 内分泌・糖尿病内科