緩和ケア内科
診療科概要
当院緩和ケア内科は平成20年5月に開設し、現在2名の医師で緩和ケア病棟1単位(20床)の診療を行っています。 また、一般病棟入院中で緩和ケアが必要となる患者さんは、緩和ケアチームで対応しています。
緩和ケアとは、がんの医療を単に病気の治療としてだけでなく、患者さんのつらさを体と心、社会生活あるいはご家族までを含めた全体として支えることが大切であるという考え方を大切にし、体のつらい症状や、心のつらさ、苦しみを和らげることは重要な治療として位置づけされているものです。平成19年に厚生労働省は「がん基本対策法」を制定し、その第十六条では、がん患者の療養生活の質の維持向上について定めています。中でも緩和ケアについては、がん患者の生活の質を確保するため、緩和ケアに関する専門的な知識及び技能を有する医療従事者の育成に努めるとともに、自宅や施設においても、適切な医療や緩和ケアを受けることができる体制の整備を進めることを推進しています。
当院緩和ケア内科では、痛みや呼吸困難など体のつらさと心の問題など全人的な苦痛緩和に力をそそぎ、医学的な必要性を優先するばかりでなく、患者さんやご家族と相談しながら、苦痛を伴う検査や処置を少なくなるようにしています。 また、患者さんやご家族が日常生活の楽しみや、変化を感じられるように支援しています。 特に緩和ケア病棟では、面会時間の制限や入院生活に伴うルールをできるだけ少なくし、患者さん一人一人の生活を考え、 生活全体を支援しています。
専門分野
- がん医療における緩和ケア
緩和ケア内科の指針
- 総合病院における緩和ケア内科として、尾北地区での拠点病院の役割を担い、院内外・地域医療と連携して緩和ケアの普及に努める
- 終末期患者のニーズの変化に的確に対応し、常に医療に関する高い倫理観、知識、技術の向上に努める
- 他職種を含めたスタッフ間での連携を深め、病棟が患者にとって人間として尊厳をもって生き抜く場所になれるよう、全人的ケアに努める
緩和ケアとは
外来緩和ケア病棟入棟面談
現在、自宅療養または他院に入院中で、当院の緩和ケア病棟への入院をご希望している方を対象に、外来緩和ケア病棟入棟面談(完全予約制)を開設しています。今後、症状が強くなった時など、将来的に緩和ケア病棟入院をご希望される方の面談予約も受け付けています。外来診療時間は以下のとおりです。症状や状態によりご本人の来院が難しい場合は、ご家族だけでも受診できます。ご希望の方は、医師、看護師にお申し出ください。他院に通院中の方は、医師に当院外来緩和ケア病棟入棟面談受診をご希望である旨を伝え、当院の地域医療連携センターを通してご予約をお願いしております。
診療日時 |
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毎週水曜日 14時00分~15時00分 完全予約制 |
※緩和ケア病棟入院をご希望の方は「緩和ケア病棟 入院申込方法」を参照ください。
※予約は、地域医療連携センター(0587-51-3344)にお電話ください。
緩和ケアチーム
当院では、当院入院中でご希望のある患者さんに対し、緩和ケアチームの介入を行っています。 緩和ケアチームは、医師、薬剤師、がん看護専門看護師、ソーシャルワーカー、理学療法士、栄養士で構成されており、週に1回、患者さんの病室に出向いてお話を聞き、主治医や病棟看護師とともに身体や心の症状を和らげる方法を検討しています。抗がん剤治療に伴う吐き気や痛みなど、放射線治療に伴う身体のだるさや痛み、がんの進行に伴う痛みや身体のだるさ、息苦しさなどの諸症状などについて相談を受けています。がんの治療がより楽に受けられるように、がんの進行による症状とうまく付き合いながら今までの生活が続けられるように、お手伝いさせていただくのが私たちの役割です。
なお、患者さんだけでなくご家族からの相談も受け付けています。
※ご希望の方は主治医または看護師まで申し出てください。
緩和ケア病棟
緩和ケア病棟とは・・・
悪性腫瘍(がん)に伴う身体や心の辛さをとることを専門に行います。そのため、身体や心の症状を和らげることに詳しい医師や看護師が従事しています。専門的な検査や治療が必要な場合は、一般病棟へ転棟していただくことがあります。そして、その人らしい日常の生活を送ることができるようお手伝いさせていただきます。苦痛緩和のための処置や、骨転移による痛みを緩和するための放射線治療等は緩和ケア病棟で行うことができます。
病棟は全室個室なので、周囲を気にすることなくテレビやラジオを視聴したり、電話をしたりすることができます。「体調の良い日にお風呂入りたい」など少しでも家の生活に近づけるよう、お手伝いさせていただきます。
なお、入院に際していくつかの条件をもうけさせていただいています。
- がんの告知を受けていること
※患者さんの意識がない場合や認知症等で自分の意思を表明できない場合は、ご家族が告知について否定的でないこと。 - 一般病棟との違いをご理解いただいた上で、患者さんおよびご家族の方が緩和ケア病棟への入院を希望されていること
※患者さんの意識がない場合や認知症等で自分の意思を表明できない場合は、患者さんの意向を推測してください。 - 緩和ケア病棟では、がんを治すための治療、専門外の手術・特殊な検査や処置などを受けていただくことができないため、それらが必要になった場合には、一般病棟に転棟していただくことを了承されていること
- 症状が安定した場合は、在宅療養あるいは転院・転棟など状態にあった療養環境を検討することについて了承されていること
- 無料個室に入室されてから2か月程度経過した時点で、状態が安定している場合、一旦有料個室に移動していただき、再度、無料個室の空きを待っていただくことについて了承されていること
- 病状が進行して心臓や呼吸の働きが不十分になったときに、患者さんを苦しめるような心臓マッサージや人工呼吸、血圧を上げる薬の使用などを行わず、自然の経過で旅立ちを迎えるという方針について了承されていること
緩和ケア病棟の設備
病床数:全室個室20床(無料:10床、有料(4,950円):10床)
病室以外に、ラウンジ・屋上庭園・ミニキッチン・洗濯室・介助浴室・個別浴室をご使用になれます。
全室個室です。各病室にテレビ・冷蔵庫(課金制)・洗面台・ トイレ・ソファを常設。
一部シャワーユニット、畳、ソファベッドの設置(有料4,950円/日)もあります。
音楽や季節行事を楽しんでいただけます。※現在、感染対策のため、一部中止しています。
患者さんの生活を主体にした援助
食の楽しみ
病棟内のミニキッチンでは家族の手料理をふるまっていただくことも可能です。 病室やラウンジで召し上がっていただくことができます。また、患者さんの嗜好に合わせてお好きなものを召しあがれるよう工夫を行っています。嗜好品についてはご相談ください。
※現在、感染対策のため、利用できません。
外出・泊
住み慣れた家で家族や友人などと過ごすことは、患者さんにとって療養の励みになり、気分転換にもなります。症状があるから不安…でも少しだけでもいいから家に帰りたい…そんな患者さんの望みがかなえられるよう支援させていただきます。
※現在、感染対策のため、外出・泊は許可されていません。
面会
ご家族や大切な方々が面会できるように、面会時間の制限をできるだけ少なくしています。
※現在、感染対策のため、面会制限は院内ルールに準じて、面会禁止となっています。
医療チームで力を合わせて援助
緩和ケアには医師・看護師だけでなく、薬剤師や ソーシャルワーカー、理学療法士、栄養士など多くのスタッフが関わっています。いろいろな面から患者さんとご家族を支援していきます。
入院申込方法と入院までの経過
※予約申し込みは地域医療連携センター(0587-51-3344(直通))にお電話ください
医師紹介
木原 里香
日本緩和医療学会:緩和医療指導医・緩和医療専門医
日本内科学会:総合内科専門医
緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了
臨床研修指導医講習会修了
緩和ケア研修会修了
街道 達哉
緩和ケア研修会修了
石川 眞一
臨床研修指導医講習会修了
緩和ケア研修会修了